【未経験OK求人の選び方】ITエンジニア転職で失敗しない求人の見極め方と探し方

「未経験歓迎」と書かれたITエンジニア求人、実は注意が必要って知ってましたか？

IT業界では、スキルや経験がなくてもエンジニアとしてチャレンジできる求人が増えています。しかし、すべての「未経験OK求人」が良い求人とは限りません。中には、教育体制が整っていなかったり、働く環境に大きなギャップがあったりと、入社後に後悔してしまうケースも…。

この記事では、未経験からエンジニアを目指す方が「安心して働ける求人」を見極めるためのポイントを、わかりやすく解説します。
求人の探し方・注意すべき落とし穴・応募時のアピール方法など、転職活動で失敗しないための実践的な内容をまとめています。

未経験からの第一歩を、安心して踏み出したい方はぜひ最後までご覧ください。

👉未経験からエンジニアになるための全体像はこちらで解説しています
【2025年版】未経験からエンジニアになるには？半年で転職成功する学習＆就活ロードマップ

未経験OK求人に潜む落とし穴とは？
初心者向け！ITエンジニア求人の探し方3選
求人票で確認すべき5つのチェックポイント
未経験者が応募で意識すべきポイント
まとめ｜未経験でも「選ぶ力」があなたを守る
1. 今後どう行動すべきか？

未経験OK求人に潜む落とし穴とは？

「未経験歓迎」の本当の意味

求人票でよく見かける「未経験歓迎」「学歴不問」といった言葉。これだけを見ると「誰でも簡単に採用されるのかな？」と思ってしまいますが、実際にはその裏に企業側の事情や意図が隠れていることがあります。

本当に教育体制が整っている企業もある

まず前提として、「未経験者を丁寧に育てたい」という思いで求人を出している企業ももちろんあります。
研修制度があり、先輩エンジニアのフォローを受けながら実務経験を積める環境は、未経験者にとって理想的です。

ただし、こうした企業は「本気で学ぶ姿勢があるか」「継続的に努力できるか」などを重視して選考を行う傾向があります。

とにかく人手が欲しい企業もある

一方で、企業によっては「人手が足りないから未経験でもいい」といった理由で求人を出しているケースもあります。

こうした企業では以下のような実態があることも。

研修がほぼなく、いきなり現場に配属される
実質的に派遣に近い働き方（SES）で、環境を選べない
開発ではなく、運用・監視・ヘルプデスクなどが中心

「未経験OKだから優しい環境」というわけではない点に注意が必要です。

見極めポイントは「育成の仕組みがあるか」

「未経験歓迎」の文字だけで判断するのではなく、実際に育成環境が整っているかを見極めることが大切です。
以下のような記載があるかをチェックしてみましょう。

「入社後1ヶ月は社内研修あり」
「OJT形式で先輩がサポート」
「資格取得支援制度あり」

逆に、「OJTで学べる」「安心して働ける環境です」といった抽象的な表現のみだと、現場に丸投げされる可能性もあります。

未経験からエンジニアを目指すなら、「どんな環境で育ててもらえるのか？」を必ず確認しましょう。
そのためにも、転職エージェントやスクール経由で企業の内部情報を得るのも有効です。

求人票では見抜けないブラック要素

「未経験OK」「安心して働ける環境です」――一見すると魅力的に見える求人票。
しかし、その裏にはブラック体質の企業が巧妙に隠れていることもあります。

ここでは、求人票だけでは見抜きにくいブラック要素を紹介します。

雇用形態が「契約社員・業務委託」のみ

未経験でエンジニアを目指す場合でも、正社員登用前提であるかどうかは重要なポイントです。

よくあるパターンとして、

「最初は契約社員でスタート」
「頑張り次第で正社員登用あり」

といった文言がありますが、正社員登用率や期間が明記されていない場合は注意が必要です。
実質的に「ずっと契約社員」のまま現場を転々とするケースもあります。

勤務地が「クライアント先」「都内各地」

この表現がある場合、客先常駐型（SES）である可能性が高いです。
SES自体が悪いわけではありませんが、以下のようなリスクがあります。

現場によって働く環境・残業時間が大きく異なる
プロジェクト終了後の配属先が不明確
教育やキャリア支援が会社任せで行き届かない

未経験者にとって、環境が安定しないSES企業は成長しにくい傾向があります。

「アットホーム」「若手が活躍中」など抽象的な表現

「風通しの良い職場です」
「アットホームな社風」
「20代が中心の明るい職場」

これらの言葉は、良くも悪くも「中身がわからない」表現です。
中には、「体育会系のノリが強い」「長時間残業が当たり前」といった職場も紛れています。

具体的な働き方や制度に言及されていない場合は疑う視点も必要です。

業務内容が不明瞭・曖昧すぎる

「IT業務全般」「開発に関わる作業」など、業務内容がボヤけている場合も要注意です。
未経験者を募集しているのに、何をするか具体的に書いていない企業は、採用後に雑務や補助作業に回される可能性があります。

社内の評判・離職率がわからない

求人票では当然、ネガティブな情報は書かれていません。
そこで、口コミサイトや転職エージェントを活用して内情を探るのが重要です。

OpenWork（旧Vorkers）
転職会議
転職エージェントからのヒアリング

口コミは100％正しいとは限りませんが、「毎年大量採用されている」「半年で退職したという声が多い」などの傾向はチェックポイントになります。

未経験者こそ、表面的な「良さ」ではなく、実態を見極める力が重要です。
不安がある場合は、自分ひとりで判断せず、第三者の意見（エージェントやスクール講師）を取り入れましょう。

最初にありがちな失敗パターン

未経験からITエンジニアを目指す人にとって、最初の一歩はとても大切です。
しかし、求人の選び方を間違えると「せっかくの挑戦が台無しに…」ということも。

ここでは、多くの未経験者が最初に陥りやすい3つの失敗パターンを紹介します。

「とにかく未経験OKならどこでもいい」と思ってしまう

最初は「とにかく採用されることがゴール」と考えてしまいがちですが、これは非常に危険です。

未経験歓迎でも、

開発スキルが一切身につかない単純作業ばかり
サポートがない現場に放り込まれる
キャリアアップにつながらない職場

ということもよくあります。

大切なのは、“育ててくれる環境”かどうかを見極めることです。

スキルや知識の準備なしで転職活動を始めてしまう

「プログラミングの勉強は入社してからでいいや」と思っていませんか？

実は、未経験歓迎の求人でも「何かしらの学習経験がある人」が優先的に採用される傾向があります。

独学でも構いません。
以下のようなアクションを取っておくだけで、印象は大きく変わります：

Progateやドットインストールで基礎学習
GitHubにコードをアップする
ポートフォリオサイトを作成する

求人票をしっかり読まずに応募してしまう

未経験者にありがちなのが、「とりあえず数を打てば当たる」という応募スタイル。
しかし、数を打つよりも、求人内容を読み込み、自分に合っているかを考えることが大切です。

よくあるミス：

SES（客先常駐）と自社開発の違いを理解せずに応募
「研修あり」と書かれているが内容を確認していない
勤務地や給与、待遇を見落としていた

転職活動は「情報戦」です。求人情報を“読む力”を鍛えることが、成功のカギとなります。

一言アドバイス

「未経験だから失敗しても仕方ない」ではなく、未経験だからこそ準備と見極めが重要です。

焦らず、着実に「育ててくれる会社」を選ぶ意識を持ちましょう。
その結果、入社後の成長スピードも、将来のキャリアの広がりも変わってきます。

初心者向け！ITエンジニア求人の探し方3選

転職サイトで求人検索する方法

未経験からエンジニア転職を目指す際、最初の一歩として取り組みやすいのが「転職サイトの活用」です。
自分のペースで求人を探せるうえ、業界の求人相場やトレンドも把握しやすくなります。

ただし、「未経験OK」と書かれていても、中身をしっかり見極めなければ後悔することも…。
ここでは、初心者が転職サイトを上手に使う方法と注意点を解説します。

未経験者向けの転職サイトを選ぶ

転職サイトにはいくつか種類があり、未経験者や若手層に特化したサイトを選ぶのがおすすめです。
以下のようなサービスが特に使いやすいです：

サイト名	特徴
ワークポート	未経験・ポテンシャル採用に強く、IT系求人が豊富
Re就活	20代・社会人未経験向けの求人に特化
Green	ベンチャー企業やWeb系企業の求人多数。スカウト機能あり
Wantedly	カジュアル面談が可能で、社風が見える求人が多い

検索条件を工夫する

キーワード検索だけでは、ブラック求人や対象外の職種に引っかかってしまうことも。
以下のように条件を細かく絞ることがコツです。

キーワード例：「エンジニア未経験」「Web開発初心者歓迎」など
絞り込み条件：
　- 勤務地（リモート可 or 自社開発企業）
　- 雇用形態（正社員）
　- 業務内容（開発・プログラミング）

「インフラ」「テスター」「運用保守」など、開発と違う職種にも注意しましょう。

求人票の読み方を覚える

求人票には以下のようなチェックポイントがあります：

研修制度や教育体制の記載があるか
業務内容が具体的に書かれているか（「開発」「プログラミング」など）
「クライアント先常駐」や「各プロジェクトに配属」などの表現に注意
雇用形態が契約社員・業務委託ではないか

スカウト機能を活用する

最近の転職サイトには、プロフィールを登録することで企業やエージェントからスカウトが届く機能があります。

スカウトは、

あなたのプロフィールに興味を持った企業からのメッセージ
通常より通過率が高い
非公開求人の案内が来ることも

というメリットがあり、未経験でもチャンスを広げやすい方法です。

転職サイトだけで完結させない

転職サイトは便利な一方で、「求人の質を見抜きにくい」という弱点もあります。

理想は、転職サイトで情報収集しつつ、転職エージェントで内部情報を補完するスタイルです。
企業の内情や選考ポイントなど、表に出ない情報を知るにはプロの力を借りましょう。

まとめ

転職サイトは、未経験者でも情報を集めやすい便利なツールです。
ただし、求人の見極めや検索の工夫が重要です。

「量より質」を意識して、成長できる環境を探しましょう。

転職エージェントを活用して相談する

未経験からエンジニア転職を目指すなら、転職エージェントの活用は非常に心強い選択肢です。

「自分に合った求人が分からない…」
「どんな企業が本当に育ててくれるのか不安…」

そんな悩みをプロのキャリアアドバイザーがサポートしてくれるのが転職エージェントの強みです。

エージェントを使うメリット

✅ 自分に合った求人を紹介してくれる

未経験者向けの求人の中でも、「開発を目指したい人」「インフラを希望する人」など、希望に沿った案件を紹介してくれます。

✅ 非公開求人に出会える

エージェント経由でしか応募できない“非公開求人”の中には、優良企業や研修が手厚い案件も多くあります。

✅ 応募書類の添削・面接対策が受けられる

職務経歴書に何を書けばいいか分からない、面接で何を話せばいいか不安…という未経験者でも安心。選考を通過しやすくなるアドバイスをもらえます。

✅ 企業のリアルな情報が得られる

「職場の雰囲気」「現場の働き方」「入社後の離職率」など、求人票ではわからない内部情報も共有してくれます。

利用する上での注意点

⚠ 担当者との相性に注意

エージェントの質は担当者によって差があります。
押しの強いタイプや、希望とズレた求人を勧めてくる担当者には遠慮せず、「変更を希望する」と伝えてOKです。

⚠ すべてを任せきりにしない

あくまで主体は「自分」。エージェントに任せきりにせず、求人票を自分でもしっかりチェックし、意思決定する意識が大切です。

活用の流れ（簡易ステップ）

Webから無料登録（3分ほどで完了）
担当者との初回面談（オンライン対応も可）
希望条件のヒアリング・求人紹介
書類添削・面接対策のサポート
応募〜面接〜内定

早ければ2〜3週間で内定が決まる人もいます。

一言アドバイス

「求人の裏側が見えない…」「何から始めればいいかわからない…」
そんな時こそ、転職エージェントの無料相談を活用しましょう。

未経験からの挑戦でも、プロのサポートがあれば一歩踏み出す安心感が得られます。

👉おすすめの未経験向け転職エージェントはこちら
未経験からITエンジニアへ！おすすめ転職エージェント5選【実績・サポート・求人の質で比較】

スクール経由の求人紹介を使う

「独学では限界を感じる」「短期間で転職を成功させたい」
そんな未経験者にとって、プログラミングスクールの活用は非常に有効な選択肢です。

最近では、多くのスクールが「転職保証」や「就職サポート」付きのコースを提供しており、受講後にスムーズに企業への就職・転職が決まるケースも増えています。

スクール経由での求人紹介とは？

多くのスクールは、提携企業と連携しており、卒業生向けに求人を紹介してくれる就職支援制度を用意しています。

スクールが紹介する求人の例：

自社開発企業や受託開発企業
若手未経験を積極採用しているスタートアップ
研修制度が整ったSIer企業など

スクール経由で応募すると、スキルの習得状況や人柄を理解した上で推薦してもらえるため、書類選考や面接で有利になることもあります。

スクール経由のメリット

✅ 転職をゴールにしたカリキュラム

求人に必要なスキルやポートフォリオ作成を前提に学習が進むため、“就職しやすい状態”で卒業できるのが強みです。

✅ 専任キャリアアドバイザーのサポート

模擬面接や履歴書・職務経歴書の添削など、未経験者がつまずきやすい部分を丁寧にフォローしてくれます。

✅ スクールの推薦がある

「どのスクールで学んだか」「どんなポートフォリオを持っているか」が企業にとっての信頼材料になります。

注意点：スクール選びを間違えると逆効果に…

ただし、どのスクールでもよいわけではありません。以下のような点に注意が必要です。

就職先の選択肢がSES（客先常駐）企業に偏っていないか
転職保証が「指定求人にしか応募できない」条件付きでないか
紹介される企業の質（離職率・働き方）は問題ないか

可能であれば、口コミや卒業生の実績、紹介企業の一覧などを確認してから受講を決めましょう。

一言アドバイス

スクール経由の転職は、「学習」と「就職活動」を同時に進められる効率的な方法です。
自己投資にはなりますが、短期間でエンジニアとしてのキャリアをスタートしたい方にとっては大きなリターンが期待できます。

👉転職保証付きプログラミングスクール一覧はこちら
未経験からエンジニア転職！就職支援が充実しているおすすめプログラミングスクール５選【2025年版】

求人票で確認すべき5つのチェックポイント

研修制度・教育体制が明記されているか

未経験からITエンジニアを目指す場合、入社後にどれだけ丁寧なサポートを受けられるかが、その後のキャリアを大きく左右します。

求人票を読むときは、必ず「研修」や「教育体制」について具体的に記載されているかをチェックしましょう。

明記されているべき具体的な情報

求人票に以下のような記載があるかを確認してください：

「入社後○週間の社内研修あり」
「プログラミングの基礎から学べるカリキュラム」
「OJTで先輩社員がマンツーマン指導」
「外部講座や資格取得支援制度あり」

こうした情報がしっかり書かれていれば、未経験者の受け入れに慣れている企業だと判断しやすいです。

抽象的な表現しかない場合は要注意

一方で、以下のような表現には注意が必要です：

「イチから丁寧に教えます」
「先輩がしっかりサポート」
「安心してスタートできる環境」

一見すると優しそうに見えますが、実際には研修内容が曖昧だったり、形式的なOJTだけというケースもあります。

求人票に研修の具体的な期間・内容・担当者が書かれていない場合は、面接や説明会で必ず確認しましょう。

教育制度の有無がキャリアの土台になる

未経験者は、「最初にどこで何を学ぶか」で今後のスキル成長に大きな差が出ます。

丁寧な研修 → 開発業務に早く関われる
放置・丸投げ → 自信をなくし、離職につながることも…

自分を育ててくれる企業かどうかは、求人選びにおける最重要ポイントと言っても過言ではありません。

不安な場合は第三者の意見を取り入れる

研修内容が曖昧な企業でも、転職エージェントやスクール経由であれば、「実際にその企業に入社した人の声」や「現場の教育体制の実態」を聞くことができます。

一言アドバイス

「未経験OK」よりも、「未経験を“育てる覚悟”がある企業か？」を見極めましょう。
求人票の文言は、入社後の現実を映すヒントです。

曖昧な表現には一歩踏み込んで質問をし、安心して学べる環境かどうか確認する習慣をつけましょう。

仕事内容が具体的か（開発 or 運用・保守？）

「ITエンジニア」と一口に言っても、実際に担当する業務内容は企業によって大きく異なります。
特に未経験歓迎の求人では、開発以外の業務（運用・監視・テストなど）を中心としたポジションも多いため注意が必要です。

求人票では一見分かりにくいこともありますが、「どんな業務に関わるのか」を具体的に読み取る意識が重要です。

「開発」と書かれていても本当に開発とは限らない？

よくある求人表現の例：

「システム開発に関する業務」
「開発サポートからスタート」
「プログラミング業務にもチャレンジできます」

これらの表現は、実際にはテスト工程や保守作業からのスタートで、コードを書く機会がほとんどないケースもあります。
「開発に携われる」＝「プログラミングする」とは限らないのが注意点です。

開発系業務かどうかを見抜くポイント

求人票で以下のような記載があれば、本格的な開発業務に携われる可能性が高いと考えられます：

「JavaやPythonを用いたWebアプリケーション開発」
「LAMP環境でのバックエンド構築」
「フロントエンド（HTML/CSS/JavaScript）によるUI実装」
「Gitを使ったチーム開発経験が積める」

一方、以下のような記述は開発以外の可能性が高いです：

「システムの監視・運用業務」
「マニュアルに沿った定型作業」
「アラート対応やユーザーサポート」
「テスト工程の実施・結果報告」

もちろん、運用・保守が悪いわけではありませんが、開発エンジニアを目指すのであれば慎重に見極める必要があります。

運用・保守スタートでもキャリアアップ可能な場合も

中には「最初は運用やテストからスタートし、1年以内に開発へステップアップできる」企業もあります。
その場合は、「明確なキャリアステップや教育体制」が記載されているかを確認しましょう。

例：

「入社半年後を目処に開発チームへ異動」
「社内勉強会・技術試験制度あり」
「キャリア面談を定期実施」など

面接で確認すべき質問例

求人票だけで判断できない場合は、面接時に以下のように聞いてみましょう：

「実際に入社された方はどのような業務からスタートされていますか？」
「プログラミング業務に携わるまでの期間や流れはどうなっていますか？」
「チーム構成や技術環境について教えていただけますか？」

一言アドバイス

「エンジニア職」と書かれていても、実態が「技術補助職」であるケースは少なくありません。
「何を学べるか」「何が身につくか」という視点で、求人の仕事内容を見極めることがキャリアの第一歩です。

勤務先や就業場所に違和感はないか

求人票を見るときに意外と見落としがちなのが、「勤務地」や「就業場所」の表記内容です。
「都内各所」「クライアント先」「プロジェクトにより異なる」といった記載には、客先常駐（SES）型の働き方が含まれている可能性があります。

「自社開発」か「客先常駐」かで働き方は大きく違う

同じ「ITエンジニア」でも、勤務場所によって職場環境や働き方は大きく変わります。

区分	特徴
自社開発	自社オフィス勤務。チームで開発。育成やフォローが受けやすい。
受託開発	自社で開発するが、案件単位で異なる。
SES（客先常駐）	他社に常駐して開発や保守運用。現場環境や人間関係が流動的。

未経験の場合、「安定して学べる環境があるか？」が重要なので、できる限り「自社開発」や「育成に力を入れている受託企業」などを狙うのがおすすめです。

注意すべき勤務地表記の例

求人票で以下のような表現を見かけたら、客先常駐の可能性を念頭に置いて慎重に判断しましょう：

「勤務先：東京都内クライアント先」
「勤務地：各プロジェクトにより異なる」
「開発チームの一員として複数企業をサポート」
「常駐型のITサービスを展開」

これらの文言はSES（System Engineering Service）企業によく見られるパターンです。

客先常駐＝悪ではないが、未経験にはハードルも

客先常駐でも、手厚く教育してくれる企業もあります。
しかし、以下のような環境も少なくありません：

教育が現場任せになりやすい
プロジェクトによって仕事内容・人間関係が毎回変わる
長時間労働や残業が常態化している現場もある

未経験者にとっては、落ち着いて学べる環境があるかどうかがカギとなるため、配属先やサポート体制の詳細を確認しましょう。

面接やエージェント経由で聞くべき質問例

求人票に不明点がある場合は、次のような質問をして確認しましょう：

「配属されるプロジェクトはどう決まりますか？」
「最初の勤務先はどこになりますか？」
「自社オフィスと客先勤務の割合はどれくらいですか？」
「客先に行った場合のサポート体制はありますか？」

一言アドバイス

「勤務地：都内各所」＝柔軟な働き方ではありません。
場合によっては「希望外の現場」「遠距離通勤」になることも。

未経験からスタートするなら、職場環境が安定していて、教育体制がしっかりしている会社を選ぶことが、成長への近道です。

SES・受託・自社開発の違いを理解する

「ITエンジニア求人」の中には、仕事内容が似ていても働き方がまったく異なるケースがあります。特に、SES（客先常駐）・受託開発・自社開発の違いを正しく理解していないと、入社後に「思っていた環境と違った…」というギャップにつながることも。

ここでは、未経験者でもわかるように、3つの働き方の違い・特徴・向いている人を解説します。

SES（システムエンジニアリングサービス）

特徴

クライアント企業の現場に常駐して働くスタイル
自社ではなく「他社のオフィス」が勤務先になる
プロジェクトが変わるたびに勤務地・業務が変わる

メリット

多様な現場経験を積める
若いうちは求人数が多く、入りやすい

デメリット

教育体制が現場任せになることが多い
自社のフォローが弱く、孤立することもある
職場環境を選べない（長時間労働・人間関係のばらつきあり）

向いている人

変化のある環境で働きたい人
社交的で適応力が高い人

受託開発

特徴

他社から依頼を受けて、自社内でシステム開発を行う
チームでプロジェクトに取り組むスタイル
クライアントとのやりとりが多い

メリット

チームでの開発経験が積める
社内で働けるため、教育を受けやすい

デメリット

納期が厳しい場合があり、残業が増えることも
プロジェクトごとに使う技術や業務が変わる

向いている人

チームで開発したい人
複数案件で幅広く経験を積みたい人

自社開発

特徴

自社サービスや自社製品を社内で企画・開発・運用する
要件定義〜リリース後の改善まで一貫して関われる

メリット

長期的なプロダクトに関われる
自社の文化・チームの中で腰を据えて働ける
最新技術や開発効率にもこだわりやすい

デメリット

求人数が少なめ（特に未経験向けは狭き門）
採用の難易度がやや高い

向いている人

サービスや技術にじっくり向き合いたい人
安定したチームで成長したい人

どれを選ぶべきか？未経験者へのおすすめ

項目	SES	受託開発	自社開発
教育体制	現場依存	社内体制あり	社内体制あり
配属の安定性	低い	やや安定	高い
成長しやすさ	現場次第	◎	◎
未経験の入りやすさ	高い	中程度	低い（狭き門）

✅ 最初の一歩としては「受託」または教育体制が整った「SES」も検討対象に
✅ 自社開発は魅力的だが、スキル習得後に狙うのが現実的

一言アドバイス

「エンジニア＝自社開発が正解」と思い込みすぎず、今の自分にとって成長できる環境かどうかで判断することが大切です。

求人票では働き方が明記されていないことも多いため、「どのような開発体制ですか？」と面接やエージェント経由で必ず確認しましょう。

企業口コミ・離職率も確認する

求人票や企業ホームページには、当然ながら良いことしか書かれていません。
「本当に働きやすい職場かどうか」を判断するには、社外の情報も参考にする必要があります。

特に口コミや離職率の情報は、企業のリアルな内情を知る手がかりになります。
未経験からの転職では「入社後に後悔しないためのリサーチ」が欠かせません。

企業口コミサイトで社内の実態をチェックする

以下のような口コミサイトを活用することで、現職・元社員の声を確認できます：

サイト名	特徴
OpenWork（旧Vorkers）	実名ベースの評価が中心。職種ごとの口コミが豊富。
転職会議	企業ごとの働きやすさ、残業、上司の人柄なども見られる。
ライトハウス（旧カイシャの評判）	カジュアルに見られるUIで若手向けにも◎。

チェックすべきポイント：

新卒・未経験者の扱いに関する記述があるか
教育体制・人間関係・労働時間・残業についての記載
「とにかく人手不足」「研修がほとんどない」などのネガティブワード

1件1件の口コミに一喜一憂せず、傾向を見て判断するのがコツです。

離職率を知ることで“育てる気があるか”が見える

「3年以内の離職率が高い企業」は、定着しづらい職場である可能性があります。

求人票に明記されているケースは稀ですが、企業説明会や面接で聞いても問題ありません。

例）

「未経験から入社された方の定着率や、離職状況について教えていただけますか？」

離職率が高くても悪とは限りませんが、理由を把握せずに入社するのはリスクです。

エージェント経由で得られる“裏情報”も活用しよう

転職エージェントは、実際にその企業に人材を紹介している立場なので、選考の通過率や社内の評判、入社後のフォロー体制などの“生きた情報”を持っていることがあります。

たとえば、

「教育体制は求人票より手厚い」
「直近で若手が大量に退職した」
「現場によって当たり外れがある」

といった情報は、個人では得にくいため、信頼できる第三者の視点をうまく使うことが大切です。

一言アドバイス

未経験だからといって「どんな会社でもいい」と思わず、長く安心して働ける職場を選ぶ視点を持ちましょう。
企業の口コミや離職率は、その職場の“育てる気があるかどうか”を映す鏡です。

情報収集のひと手間が、あなたの将来を大きく左右します。

未経験者が応募で意識すべきポイント

履歴書・職務経歴書に書くべき内容

未経験からエンジニア転職を目指す場合、「職歴にアピールできることがない…」と悩む方も多いはず。
でも安心してください。未経験者には、未経験者なりのアピール方法があります。

履歴書・職務経歴書では「経験の有無」よりも**「なぜエンジニアを目指すのか」と「どれだけ準備してきたか」**を丁寧に伝えることが重要です。

履歴書には「志望動機」と「継続力」を書こう

履歴書の志望動機では、以下のような流れを意識して書くと効果的です：

❶ なぜエンジニアという職種に興味を持ったか
（例：前職でITシステムに触れる機会があり興味を持った）

❷ なぜその会社に応募したのか
（例：自社開発を行っており、教育体制も整っている点に魅力を感じた）

❸ 今どんな準備をしているか
（例：ProgateやUdemyでWebアプリ開発を学習中／GitHubでコードを公開中）

加えて、過去の職歴で身につけた「継続力」「コミュニケーション力」などの仕事に共通する強みを盛り込むとより説得力が増します。

職務経歴書には「エンジニアを目指す理由」と「学習実績」を書く

未経験者の職務経歴書では、以下のような構成がおすすめです：

職務概要

過去の職歴を簡潔にまとめましょう。たとえば飲食業であれば：

5年間、飲食業界でホール・店舗運営を経験。接客スキル・チームマネジメント能力を培いました。

エンジニアを目指す理由

「なぜ今、エンジニアを目指すのか」を自分の言葉で説明します。熱意と具体性が大切です。

学習内容・ポートフォリオの紹介

独学・スクール問わず、学んだ内容を具体的に書きましょう。

HTML/CSS/JavaScriptの基本を学習中
Java/Spring Bootで簡単なWebアプリを制作
GitHubでソースコード公開中（URLも記載）

活かせるスキル・強み

前職で培った社会人スキルも立派なアピールポイントになります。

丁寧なコミュニケーション
継続して成果を出す力
初対面の人とも円滑に関係を築ける対応力など

よくあるNG例

「未経験ですが頑張ります！」だけでは弱い
書類に熱意がこもっていない（定型文・抽象的）
学習経験やポートフォリオが全く記載されていない

採用担当者は“伸びしろ”を見ています。
だからこそ、「現時点での努力」や「成長意欲」がしっかり伝わる書類が求められます。

一言アドバイス

未経験者の書類選考では、「やる気」と「準備してきた姿勢」が大きな武器になります。
完璧な職歴は必要ありません。自分がどんな未来を描いていて、そのために何をしてきたかを、誠実に伝えましょう。

👉未経験者向けの職務経歴書テンプレートと書き方はこちら
【未経験OK】エンジニア職務経歴書の書き方テンプレ付き｜転職成功の秘訣を解説

面接でのアピールは「経験」より「意欲と準備」

未経験からエンジニアを目指す面接では、「実務経験がないのに何をアピールすればいいの？」と不安に感じる方も多いでしょう。

でも安心してください。
企業が未経験者に求めているのは“即戦力”ではなく、“将来の成長ポテンシャル”です。

つまり、面接では「経験」よりも「意欲」と「準備の質」が重視されるのです。

面接官が見ているのは「学ぶ姿勢」と「継続力」

多くの企業が未経験者に対して次のような点をチェックしています：

なぜエンジニアになりたいのか（動機が明確か）
どのくらい学習してきたか（準備しているか）
継続して努力できる人か（途中で投げ出さないか）
前職の経験をどう活かそうとしているか

特に「学習中にどんな工夫をしたか」や「実際に作ってみたもの」は、人柄や主体性を伝えるうえで非常に効果的な材料になります。

高評価につながるアピール例

「ProgateでHTML/CSSを学び、模写コーディングをしてGitHubにアップしました」
「Javaで簡単な家計簿アプリを作成し、自己紹介の一環として使っています」
「前職でのマネジメント経験を、開発チームでの調整役にも活かしたいと考えています」

こうした具体的な取り組みがあれば、「本気でエンジニアを目指している人」だと伝わります。

よくあるNGパターン

「未経験ですが頑張ります！」だけの抽象的な回答
「エンジニアってかっこよさそうだから…」という曖昧な動機
質問に対して自己分析が浅く、答えがぼんやりしている

面接では「なぜそう思ったのか」「なぜその企業を選んだのか」を、“自分の言葉”で説明することが重要です。

面接前に準備すべき3つのポイント

志望動機を明確にしておく
　→「なぜIT業界？なぜその会社？」の順に整理
学習内容・成果物を言語化しておく
　→「何を、なぜ、どうやって学んだか」
逆質問を2〜3個用意しておく
　→ 例：「未経験入社の方のキャリアステップは？」「1年目のサポート体制は？」

一言アドバイス

「やってきたこと」よりも、「なぜやったのか」「そこから何を学んだか」を語れることが、未経験者の最大の武器です。

“努力のストーリー”は、企業にあなたの未来への投資価値を感じさせます。

スクール受講や独学経験が評価される理由

未経験者がエンジニア転職を目指すうえで、「スクールに通った」または「独学で学んでいる」という事実は大きな武器になります。

企業は、あなたが「どれだけ意欲的に準備してきたか」を重視しています。
学習経験そのものが“入社後の伸びしろ”を証明する材料になるのです。

「やる気」と「自己管理能力」を示せる

スクールや独学での学習は、自らの意思でスキル習得に取り組んだ証拠です。

忙しい中で時間を作って学んだ
習慣化して継続できた
分からないことを自力で調べて解決した

こうした経験は、未経験でも**「この人は学びながら成長できそうだ」と思わせる説得力**を持ちます。

技術的な会話ができる最低限の土台になる

まったく学習していない人と比べて、以下のような違いが生まれます：

HTMLやCSSの用語が面接で通じる
Gitやターミナルの基本がわかる
プログラミングの考え方（変数、条件分岐など）を理解している

この“共通言語”があることで、企業側も安心して教育コストをかけやすくなります。

ポートフォリオがあるとさらに有利

スクールでの制作課題や、独学で作成したWebアプリなどを「ポートフォリオ」として提示できると、圧倒的に選考通過率が高まります。

面接では、実物を見せながら以下のように話せると◎です：

どんな技術を使って作ったのか
苦労した点と、どう解決したか
今後どう改良したいか

「学ぶだけでなく、形にしてアウトプットしている人」は、企業から見ても魅力的に映ります。

スクール受講歴は“教育への意欲”の証明にもなる

特に短期集中型や転職保証付きのスクールに通っていた場合、以下のような印象を与えられます：

自己投資をして本気でキャリアチェンジしようとしている
環境を選び、主体的に行動できる人材
学び方をすでに身につけている＝即戦力候補になりうる

これは、単なる履歴以上にあなたの価値を裏付ける材料になります。

一言アドバイス

企業は、未経験者に「完璧なスキル」ではなく「学び続ける姿勢」を求めています。
だからこそ、スクールや独学の経験を「ただやった」ではなく、「なぜ取り組んだか」「何を学んだか」「どう活かしたいか」まで語れるようにしておきましょう。

まとめ｜未経験でも「選ぶ力」があなたを守る

ITエンジニアは未経験からでも目指せる職種ですが、どんな企業・求人を選ぶかでその後のキャリアは大きく変わります。

「未経験歓迎」と書いてあっても、すべての求人が安心・安全なわけではありません。
教育体制はあるか？業務内容は具体的か？職場環境はどうか？――こうした視点で求人を見極める“選ぶ力”こそが、あなたを守ってくれます。

特に未経験者にとっては、最初の職場が「成長できる環境」であるかどうかが、その後のキャリアの土台となります。焦って内定を取るよりも、自分に合った企業をじっくり選ぶ姿勢が結果的に成功への近道です。

今後どう行動すべきか？

気になる求人があれば、「教育体制」「仕事内容」「働き方」に注目してチェック
不安があれば、転職エージェントやスクールの無料相談を活用する
迷ったら、「入社後に成長できる環境かどうか？」を判断基準にする