会社員として働きながら、年収を上げることの難しさを痛感してきた。
SES時代は、どれだけ頑張っても昇給が数千円から数万円程度だった。転職することで年収を大きく上げることはできた。でも、転職以外の方法で収入を増やすことは、思っていた以上に難しかった。
そういう経験を積み重ねていくうちに、「会社員として収入を上げることのコスパの悪さ」が、リアルに見えてきた。同時に、「副業という選択肢」を真剣に考えるようになった。
会社員の昇給の仕組みを理解して気づいたこと
会社員の給与は、会社が決める。
当たり前のことだが、これが「コスパが悪い」と感じる根本的な理由だ。
どれだけ成果を出しても、昇給額は会社の制度と予算によって上限が決まっている。「今年は頑張ったから給料を大幅に上げてほしい」と思っても、会社の昇給率が3%なら3%が上限だ。個人の頑張りと、報酬の増加が比例しない。
SES時代の昇給は、年に一度、数千円から数万円程度だった。毎日現場で必死に働いて、スキルを積み上げて、評価もそれなりに良かった。でも、手元に入ってくる金額の変化は、体感できないくらい小さかった。
「これだけ頑張って、これだけの変化か」という感覚が積み重なった。昇給の遅さと小ささへの限界感が、「会社員として収入を上げることのコスパの悪さ」を認識させてくれた。
転職が最も効果的な収入アップ手段だった
会社員として収入を上げる手段として、最も効果的だったのは転職だった。
1回目の転職でSESからSIerに移ったとき、年収が100〜200万円上がった。2回目の転職でSIerから外資系コンサルに移ったとき、また同程度上がった。会社内での昇給を何年も積み重ねるより、転職1回の方が収入の変化が大きかった。
ただ、転職にもコストがある。転職活動の時間と労力、新しい環境への適応、人間関係の構築。頻繁に転職を繰り返せるわけではない。「転職以外の方法で収入を増やせないか」という問いが、自然と生まれてきた。
副業という選択肢を考え始めた
「副業で稼ぐ」という選択肢を考えたのは、会社内での昇給の限界を感じてからだ。
会社員として働きながら、スキルや時間を会社以外の場所でも活かす。そうすることで、会社からの給与以外の収入源を作る。その発想は、「転職でしか収入を上げられない」という制約から解放してくれる可能性があった。
エンジニアというスキルは、副業との相性が良い。プログラミング、システム設計、技術的なアドバイス。これらは、副業として提供できる価値があった。クラウドソーシングサービスを使えば、個人でも案件を受けられる時代になっていた。
「やってみよう」と思って、実際に副業を試みた。
実際に副業を試みてわかったこと
副業に挑戦してみると、思っていた部分と違った部分があった。
良かった点として、「自分のスキルが市場でどう評価されるか」を直接感じられた。会社の中にいると、自分のスキルの価値がわかりにくい。でも、副業として案件を受けてみると、「このスキルでこの金額を払ってもらえる」という市場価値がリアルにわかった。
また、「自分でビジネスを動かす」という経験が新鮮だった。クライアントを探す、提案する、価格を交渉する、納品する。会社員として働いているだけでは経験できないプロセスを、小さくても体験できた。
難しかった点もある。本業との両立が、思っていたより大変だった。本業で疲弊している状態で副業の仕事をすると、どちらの質も下がるリスクがある。時間の管理と体力の配分が、難しかった。
また、最初の案件を取るまでが一番のハードルだった。実績がない状態では、単価を下げて経験を積むところから始める必要があった。「すぐに大きく稼げる」という期待は、現実的ではなかった。
会社員として収入を上げることのコスパの悪さ
副業を試みた経験も踏まえて、改めて「会社員として収入を上げることのコスパ」を考えてみる。
会社員の収入を上げる方法は、大きく3つある。社内での昇進・昇給、転職、副業だ。
社内での昇進・昇給は、最もコスパが悪い。年に数万円の昇給のために、毎日頑張り続ける。「あと5年頑張れば部長になれて年収が上がるかもしれない」という話は、不確実性が高い割に投資するリソースが大きい。
転職は、最もコスパが良い収入アップ手段だ。適切なタイミングで適切な環境に移ることで、短期間で大きく収入を変えられる。ただし、転職市場での自分の価値が高くないと機能しない。また、頻繁にはできない。
副業は、可能性はあるが、時間と労力が必要だ。最初はなかなか稼げないが、実績が積み上がってくると、本業と独立した収入源になる可能性がある。エンジニアとしてのスキルは、副業との相性が比較的良い。
副業に取り組む前に考えておくこと
副業を始めることを検討しているエンジニアに、事前に考えておいてほしいことがある。
会社の副業規定を確認することが最初のステップだ。副業を禁止している会社もある。就業規則を確認せずに副業を始めると、トラブルになる可能性がある。まず規定を確認して、許可が必要なら申請する。
本業への影響を考えることも大切だ。副業で収入を得ることより、本業のパフォーマンスが下がることの方が、長期的には損になる可能性がある。本業に支障をきたさない範囲で始めることが原則だ。
税務の知識を持っておくことも必要だ。副業で一定以上の収入を得た場合、確定申告が必要になる。住民税の特別徴収など、会社にバレるリスクもある。事前に税務の基礎知識を持っておくと、トラブルを避けられる。
すぐに稼げると思わないことも重要だ。副業で安定した収入を得るには、時間がかかる。最初の数ヶ月は実績を作る期間だと割り切って、焦らず取り組むことが大切だ。
エンジニアが副業で活かせるスキル
エンジニアとしてのスキルは、副業との相性が良い分野がいくつかある。
フリーランス案件は、最も直接的にエンジニアスキルを活かせる副業だ。クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサービスを使って、開発案件を受けることができる。最初は単価が低くても、実績を積み上げることで単価が上がっていく。
技術記事の執筆も選択肢の一つだ。ZennやQiitaで技術記事を書いて、読者を集める。直接の収入にはなりにくいが、認知度が上がることで副業の案件につながることがある。
プログラミング講師・メンターも需要がある。未経験からエンジニアを目指している人に、学習をサポートする。技術的なスキルだけでなく、「どうやってエンジニアになったか」という経験も価値になる。
このブログ自体も、副業的な取り組みの一つだ。ブログを通じてアドセンス収益やアフィリエイト収益を得ることは、エンジニアのスキルや経験を活かした副業と言える。
よくある疑問への回答
Q. 副業は会社にバレますか?
住民税の徴収方法によっては、会社に副業収入がバレる可能性がある。副業収入が年間20万円を超えた場合、確定申告が必要になり、住民税の計算に副業収入が含まれる。「普通徴収」を選択することで、会社へのバレるリスクを下げられる。ただし、確実に隠せる方法はないため、副業が禁止されている会社では注意が必要だ。
Q. 副業を始めるのにおすすめのサービスはありますか?
クラウドワークス、ランサーズ、ココナラなどのクラウドソーシングサービスから始めるのが入りやすい。フリーランス案件を探すなら、レバテックフリーランスやMidworksなどのエージェントサービスも選択肢だ。
Q. 副業収入はいくらくらいを目標にすればいいですか?
最初は月1〜3万円程度から始めるのが現実的だ。本業の収入を補完する程度の目標から始めて、実績が積み上がってきたら目標を上げる。最初から大きな収入を目標にすると、うまくいかなかったときに続けられなくなる。
まとめ:収入を増やす手段を複数持つことが、選択肢を広げる
会社員として昇給を待つだけでは、収入の増加に限界がある。転職と副業を組み合わせることで、収入の選択肢が広がる。
副業はすぐに大きく稼げるものではない。でも、エンジニアとしてのスキルを会社以外の場所でも活かすことで、本業への依存度を下げて、経済的な選択肢を広げることができる。
「会社員として収入を上げることのコスパの悪さ」を認識した上で、転職と副業という二つの手段を戦略的に使っていくことが、エンジニアとして長く働き続けるための一つの答えだと思っている。

コメント