30代未経験からITエンジニアになるために専門学校に通った話

カテゴリー

30代で未経験からエンジニアを目指すと決めたとき、最初に悩んだのは「どうやって学ぶか」だった。

独学か、プログラミングスクールか、専門学校か。調べれば調べるほど、何が正解かわからない。そもそも、学んだところで本当に就職できるのかという不安が、常に頭の片隅にあった。

自分が選んだのは、夜間の専門学校だった。働きながら2年間通い、卒業後に転職活動してSES企業に入った。

この記事では、その選択が実際どうだったかを、できるだけ正直に書く。専門学校を検討している人の判断材料になれば嬉しい。


なぜ専門学校を選んだのか

選択肢はいくつかあった。独学、プログラミングスクール、そして専門学校。それぞれ調べた上で、夜間の専門学校を選んだ。

独学を選ばなかった理由は、自己管理への自信のなさだった。仕事をしながら一人で学習を続けられるか、正直自信がなかった。サボる理由はいくらでも作れてしまう。

プログラミングスクールも検討した。ただ、当時は数十万円という費用がネックだった。「学んでも就職できるか」という不安がある中で、高額な費用を先払いする決断ができなかった。

専門学校の夜間部を選んだのは、働きながら通えること、カリキュラムが体系的に組まれていること、そして学費が比較的抑えられることが理由だった。昼間は今の仕事を続けながら、夜だけ学ぶ。収入を途絶えさせずに学べる、というのが自分の状況には一番合っていた。


2年間の夜間通学、リアルな実態

専門学校は東京だった。当時住んでいたのは札幌だったので、上京するところから始まった。

問題はお金だった。貯金はほぼない。それどころか借金まで抱えていた。学費をどう工面するか、それが最初の壁だった。

そこで選んだのが、新聞奨学生制度だ。

新聞販売店に住み込みで働きながら、学費と生活費を賄う制度だ。仕事の内容は、新聞配達、集金、営業。住む場所は販売店の寮。家賃はかからない代わりに、朝から晩まで働く。

1日のスケジュールはこうだった。

午前3時に起きて配達を始める。7時頃に終わる。その後、集金や営業を挟みながら、夕方3時から17時頃まで再び配達に出る。そして18時から21時まで、専門学校の授業を受ける。帰ってくるのは22時前後。翌日の3時にはまた起きる。

睡眠時間は、どう計算しても5時間確保できればいい方だった。

きつかった。正直、何度やめようと思ったかわからない。ただ「やめたら借金だけが残る」という現実が、踏みとどまらせていた。

授業中に眠くなるのは日常だった。それでも、学んでも就職できるかという不安の方が、眠気より大きかった。「これだけ犠牲にして、結局エンジニアになれなかったら」という恐怖が、ずっとそこにあった。


卒業後の転職活動、実際どうだったか

転職活動は、2年生になった頃から始めた。

学生という立場だったので、新卒採用枠で応募していた。20代の同級生たちに混じって、30代が就活をしている。今思えば、なかなか奇妙な光景だ。

ただ、状況はすぐに厳しくなった。

ちょうどその頃、リーマンショックが起きた。就職市場が一気に冷え込んだ。IT業界も例外ではなく、未経験者の採用枠は急激に絞られた。

応募し続けた。100社は超えたと思う。それでも内定はもらえなかった。年齢のことを言われることもあった。未経験であることを指摘されることもあった。「景気が回復したらまた来てください」という言葉を、何社から言われたかわからない。

結局、在学中には転職先が決まらなかった。

無職のまま卒業した。新聞奨学生としての住み込み生活も終わる。住む場所も、収入も、一度に失うことになった。

あの時期は、正直しんどかった。2年間あれだけ必死にやってきて、卒業時点でゼロに戻るような感覚だった。「やっぱり自分には無理だったのか」と思いかけた。

それでも就活を続けた。選択肢がなかったからだ。やめたら、2年間が本当に無駄になる。その一心で動き続けた結果、卒業後にSES企業から内定をもらうことができた。


専門学校という選択、今振り返ってどうだったか

あれだけ苦労して通った専門学校が、実際どうだったか。正直に評価してみる。

良かった点は2つある。

ひとつは、「2年間努力してきた」という事実をアピールポイントにできたことだ。働きながら夜間通学を続けたという経歴は、転職活動の場で話せるエピソードになった。スキルや知識よりも、「それだけ本気で取り組んだ人間だ」という印象を伝える材料として機能した。

もうひとつは、学校からの企業紹介があったことだ。100社以上応募して内定ゼロという状況の中で、学校経由の紹介ルートは数少ない突破口だった。完全に個人で転職活動していたら、もっと時間がかかっていたかもしれない。

一方で、正直微妙だったのは学習内容だ。

授業で使うのは市販の入門書だった。プログラミングの基礎は学べる。でも現場で実際に役立つかというと、そうではなかった。入社してすぐに気づいた。学校で学んだことと、現場で求められることの間には、大きなギャップがある。

専門学校を出たからといって、即戦力にはなれない。それが現実だった。

ただ、それは専門学校に限った話ではないかもしれない。独学でもスクールでも、学習環境と現場の間にはギャップがある。大切なのは「学んだ後にどう動くか」であって、どこで学ぶかはそれほど決定的な差にはならないと今は思っている。


まとめ:迷っているなら、動いた方がいい

振り返ると、専門学校という選択が完璧だったとは言えない。学習内容は現場と乖離していたし、リーマンショックという運の悪さも重なった。

それでも、動いたことは正解だったと思っている。

「完璧な準備が整ってから」と待っていたら、たぶん今もエンジニアになっていない。借金を抱えたまま上京して、午前3時から新聞を配って、100社以上落ちて。それでもなんとかなった。

30代未経験でエンジニアを目指している人に伝えたいのは、「どこで学ぶか」より「とにかく動くかどうか」の方がずっと大事だということだ。完璧なルートなんてない。自分に合いそうな方法で、まず一歩踏み出すことの方が、何倍も価値がある。


コメント

タイトルとURLをコピーしました