就活中に、今でも忘れられない面接があった。
明らかに自分を軽視した態度をとる面接官がいた。その場では気持ちを抑えて面接を続けたが、帰り道で怒りがこみ上げてきた。あの経験は、20年近く経った今でも鮮明に覚えている。
就活はただでさえ精神的にきつい時期だ。理不尽な扱いを受けることで、さらに消耗する。同じような経験をした人に「それは自分だけじゃない」と伝えたいし、これから就活をする人に「そういう面接官もいる」ということを知っておいてほしい。
どんな面接だったか
未経験からエンジニアを目指して就活していた頃、ある会社の面接に臨んだ。
30代前半、完全未経験。スキルも実績もない状態での就活だから、面接官に厳しいことを言われることは覚悟していた。「なぜ30代で未経験から?」「本当にやっていけると思っているのか?」そういう質問は、他の面接でも受けていた。厳しい質問は、選考の一部として受け入れていた。
でも、あの面接官の態度は違った。
部屋に通されたとき、面接官はこちらをほとんど見なかった。書類を眺めながら、明らかに興味のなさそうな様子で質問を始めた。自分が答えている途中で話を遮られた。返答に対してため息をつかれた。「まあ、難しいですよね」という言葉を、決めつけるように言われた。
言葉そのものより、態度が問題だった。「この人は最初から採用するつもりがない」「時間を無駄にしている」という気持ちが、態度の端々から滲み出ていた。
その場で感じたこと
面接中、気持ちを抑えるのに必死だった。
「なぜこんな扱いを受けなければならないのか」という怒りと、「でも、ここで感情的になったら終わりだ」という冷静な部分が、頭の中で同時に動いていた。
最後まで面接を続けた。感情を表に出さず、質問には丁寧に答えた。自分でも、よく耐えたと思う。
面接が終わって会社を出た瞬間、どっと疲れが来た。スキルや経験を否定されることへの落ち込みではなく、人として軽く扱われたことへの怒りと虚しさが混在した疲れだった。
帰り道、「自分は何をやっているんだろう」という気持ちになった。100社以上応募して、落ち続けている時期だった。あの面接が、その時期の精神的な消耗に追い打ちをかけた。
面接後に考えたこと
翌日、冷静になってあの面接を振り返った。
怒りはまだあった。でも、少し違う視点で考えられるようになっていた。
あの面接官の態度は、その人個人の問題だ。でも同時に、あの会社の面接があの対応なら、入社しても似たような文化がある可能性が高い。「落ちて良かった」とまでは思えなかったが、「あの会社が自分に合っているかどうかは疑問だ」という考えが生まれた。
面接は、企業が候補者を選ぶ場であると同時に、候補者が企業を選ぶ場でもある。面接官の態度は、その会社の文化を映す鏡でもある。理不尽な態度をとる面接官がいる会社は、社内でも同じような文化がある可能性を疑った方がいい。
そう考えたら、少しだけ気持ちが楽になった。
理不尽な面接官への対処法
あの経験を踏まえて、就活中に理不尽な扱いを受けたときの対処法を整理してみる。
その場では感情を出さないことが基本だ。どれだけ腹が立っても、面接中に感情的になることは自分の不利になる。「この人の態度は問題だ」という気持ちを持ちながらも、回答は冷静に続ける。感情を出すタイミングは、面接が終わってからだ。
その面接官だけでその会社を判断しないことも大切だ。面接官によって、同じ会社でも印象が大きく変わることがある。一人の面接官の態度が悪かったからといって、会社全体が同じとは限らない。ただ、複数の面接官や複数の選考段階で同じような印象を受けるなら、それはその会社の文化である可能性が高い。
「落ちることも情報だ」と考えることで、気持ちが楽になることがある。理不尽な面接官がいる会社から落ちることは、むしろ良い結果かもしれない。自分に合わない会社のフィルタリングが、自動的に行われたと考えることもできる。
経験として記録しておくことをすすめる。どんな質問をされたか、どんな態度をとられたか、どう感じたかをメモしておく。就活が終わった後に振り返ると、自分がどんな環境を嫌いで、どんな環境を求めているかが見えてくることがある。
就活で理不尽な思いをしている人へ
未経験からエンジニアを目指す就活は、精神的にきつい時期だ。
スキルも経験もない状態で、何十社と応募して落ち続ける。書類で落とされることも多いし、面接まで進んでも落とされる。その中に、あの面接官のように理不尽な扱いをしてくる人が混じっている。
「自分がダメだから」と思い込まないでほしい。理不尽な面接官の態度は、その人の問題であって、あなたの価値の問題ではない。
100社以上応募して、無職のまま専門学校を卒業した自分が言える。落ち続ける時期は本当につらい。でも、その時期を乗り越えた先に、受け入れてくれる会社がある。理不尽な扱いをする会社に入らなくて良かったと、後から思える日が来る。
面接官の態度で会社を見極める視点
就活の経験を積む中で、面接官の態度から会社の文化を読む視点が身についた。
候補者に対して丁寧な面接官がいる会社は、社内でも人を大切にする文化がある可能性が高い。時間を守る、事前に準備している、候補者の話をきちんと聞く。こういった面接官がいる会社は、入社後も働きやすい環境である可能性が高い。
逆に注意すべき面接官のサインがある。候補者の話を途中で遮る、明らかに興味なさそうな態度をとる、否定的な言葉を多用する、時間を守らない。これらのサインが複数あるなら、その会社の文化を疑った方がいい。
面接は企業側からの選考であると同時に、自分からの選考でもある。一方的に選ばれる立場として臨むより、「自分もこの会社を見ている」という意識で臨む方が、精神的にも楽になれる。
よくある疑問への回答
Q. 面接官の態度が悪かったとき、選考を辞退してもいいですか?
辞退は全く問題ない。面接を受ける義務はない。「この会社は自分には合わない」と判断して辞退することは、むしろ賢明な判断だ。ただ、辞退する場合は連絡を入れることがマナーだ。
Q. 理不尽な質問をされたとき、どう答えればいいですか?
答えたくない質問には、「その点については現時点でお答えする情報を持っていません」や「その質問の意図を教えていただけますか」と返すことができる。無理に答える必要はない。ただし、感情的にならず、あくまで冷静に対応することが大切だ。
Q. 面接で落ち続けるとき、どう気持ちを保てばいいですか?
数をこなすことと、一つひとつに引きずられないことのバランスが大切だ。一社落ちるたびに深刻に落ち込んでいると、精神的に持たない。「今日の面接はこういう学びがあった」という視点で、前に進み続けることが唯一の方法だ。どこかで必ず受かる。諦めずに続けた人だけが、エンジニアになれる。
まとめ:理不尽な面接官は、その会社を見極めるチャンスでもある
あの面接官の態度は、今でも腹が立つ。でも、振り返れば「あの会社に入らなくて良かった」とも思う。
理不尽な扱いをする面接官がいる会社に入っていたら、入社後も同じような扱いを受け続けた可能性がある。落とされたことが、結果的に自分を守ってくれたのかもしれない。
就活中に理不尽な思いをすることは、珍しくない。でも、それはあなたの価値の問題ではない。合わない会社のフィルタリングが行われたと考えて、次に進んでほしい。


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