職務経歴書を盛ったエンジニアの末路|経歴詐称が限界を迎えた実体験

3〜5年目の伸び悩み

経歴を少し盛ってSESに入社した。最初の頃は、どきどきしながらも何とかやり過ごせていた。でも、2〜3年目に入った頃、限界が来た。

技術的な質問に答えられなくなったのだ。

「経歴に書いてある通りの経験があるなら、これくらいはわかるよね?」という前提で聞かれる質問に、答えられない。その瞬間の焦りと恥ずかしさは、今でも覚えている。

この記事では、職務経歴書を盛ったことで限界を迎えた実体験と、そこから学んだことを正直に書く。「経歴を盛ろうか迷っている」「盛った経歴がバレそうで怖い」という人にも参考になれば嬉しい。


職務経歴書を盛ってSES入社した経緯

未経験から専門学校を経てSES企業に入社した直後のことだ。

スキルシートを書く機会があった。書ける実務経験はほぼゼロ。ただ、スキルシートに何も書けないと現場にアサインされない。アサインされなければ収入にならない。その焦りがあった。

学校で少し触れた程度の技術を「経験あり」と書き、経験年数も実際より少し長めに記載した。「現場に入れば何とかなる」という根拠のない自信と、「バレなければいい」という後ろめたい気持ちが混在していた。

最初の1〜2年は、何とかやり過ごせた。わからないことを調べながら進め、夜は必死に勉強して翌日に備える。そういう日々を繰り返すうちに、少しずつ実力がついてきた。「盛った経歴に現実が追いついてきた」という感覚があった時期もあった。

でも、2〜3年目になって、その感覚が崩れ始めた。


経歴詐称が限界を迎えた瞬間

現場での仕事が高度になるにつれて、求められる技術レベルが上がってきた。クライアントや上流の技術者から専門的な質問を受ける機会が増えた。「これくらいの経験年数があるなら知っているよね」という前提で聞かれる質問が、答えられないものになってきた。

1〜2年目は「まだ経験が浅いから」という言い訳が通じていた。でも経歴上は3〜4年の経験がある人間として扱われるようになると、その言い訳が通じなくなってきた。

はっきりと「限界だ」と感じた具体的な場面がある。

あるプロジェクトで、技術的な設計の議論に参加することになった。自分の経歴からすると当然参加できるレベルだという前提で呼ばれた。でも議論の内容が、自分の実際のスキルをはるかに超えていた。

「〇〇の設計についてどう思いますか?」と意見を求められたとき、何も言えなかった。知識がなかったから、意見が出てこなかった。「少し考えさせてください」と答えてその場をしのいだが、その後しばらく、その場にいることが苦痛だった。

帰宅後、自己嫌悪に陥った。「なぜ正直に話さなかったのか」という後悔と、「今さら正直に言えるわけがない」という葛藤が、頭の中でぐるぐると回った。

この出来事が、「このまま続けることはできない」という気持ちを決定的にした。


職務経歴書を盛り続けることの3つのコスト

経歴詐称を続けることには、目に見えないコストがある。

①精神的な消耗

常に「バレるかもしれない」という不安を抱えながら仕事をする。新しい現場に入るたびに緊張する。技術的な質問が来るたびに焦る。この状態が2〜3年続いた。じわじわと精神を削る消耗だった。

仕事そのものへの不安より、「嘘がバレる」という不安の方が大きくなる時期がある。この状態では、本来の仕事のパフォーマンスも上がらない。

②成長の妨げ

「わからない」と言えないから、本当の意味での疑問を解消できない。「そのくらい知っているはず」という前提で話が進むから、基礎的な部分の確認ができない。嘘をついていることが、自分の成長を阻害していた。

「わからない」と正直に言える環境の方が、結果的に学習が速い。これは経歴詐称をやめてから実感したことだ。

③信頼の問題

もしバレた場合、技術力の問題だけでなく、人間としての信頼を失う。「この人は嘘をつく人だ」という評価は、キャリアに長く影響する。業界は意外と狭く、転職先で以前の現場の人と再会することもある。


限界を感じてから実際に変えたこと

「このまま続けることはできない」という気持ちになってから、次の3つを変えた。

①正直に話せる範囲を少しずつ広げた

一気に全部を告白するのではなく、「実はこの部分は経験が浅くて」という形で、少しずつ正直な情報を開示した。「完全な嘘をついている状態」から「多少の誇張はあるが基本的に正直な状態」へ、段階的に移行した。

②本当のスキルを積み上げることに集中した

「追いつかなければいけない」という焦りが、勉強の原動力になった。技術書を読む、資格を取る、現場で積極的に学ぶ。実際のスキルを上げることが唯一の解決策だという認識が強くなった。

盛った経歴に現実を追いつかせることで、「詐称」ではなく「事実」にしていく。それが、この状況から抜け出すための唯一の道だった。

③正直に話せる関係性を意識的に作った

「わからないことはわからない」と言える関係性を、少しずつ作っていった。「あの人はわからないことを素直に言える人だ」という評価は、「あの人はわかったふりをする人だ」という評価より、長期的には信頼につながる。


経歴詐称がバレたらどうなるか

職務経歴書の詐称がバレた場合、どのようなリスクがあるかを整理しておく。

即時解雇のリスク。経歴詐称は「採用の前提となる事実の虚偽申告」にあたり、就業規則上の懲戒事由になることが多い。発覚した場合、即時解雇や懲戒解雇になる可能性がある。

損害賠償リクスク。採用に関わったコスト、詐称による損害を請求される可能性がある。法的なトラブルに発展するケースもゼロではない。

業界内での評判。IT業界は意外と狭い。転職活動で以前の会社の関係者に会うことも珍しくない。「あの人は経歴を盛っていた」という情報は、想定外の形で広まる可能性がある。


職務経歴書を盛ることを考えている人へ

経歴を盛ることへの誘惑は、未経験や経験の浅いエンジニアなら誰でも感じることがあると思う。「少し盛るくらいいいだろう」という気持ちはわからなくはない。ただ、自分の経験から伝えられることがある。

短期的なメリットより、長期的なコストの方が大きい。現場に入れるというメリットは確かにある。でも、その後ずっと嘘を維持し続けるコストは想像以上に大きい。精神的な消耗、成長の妨げ、バレたときの信頼損失。これらを天秤にかけると、正直に活動する方が長期的には有利だ。

正直な経歴でも入れる会社はある。未経験や経験が浅くても、ポテンシャルを評価してくれる会社は存在する。特にSESは未経験歓迎の求人が多い。嘘をついてリスクを負うより、正直な状態で自分に合う会社を探す方が、長期的には良い結果につながる。

バレるリスクは思っているより高い。技術の世界は狭い。スキルチェックが入ることもある。「バレないだろう」という楽観は危険だ。


よくある疑問への回答

Q. 職務経歴書に少し盛って書くのは一般的ですか?

「少し盛る」という行為自体は珍しくないが、実態と大きく異なる経験年数の記載や、持っていない資格の記載は明確な問題だ。「この現場で求められるスキルを自分は本当に持っているか」という観点で正直に考えることが大切だ。

Q. 経歴詐称はどのタイミングでバレることが多いですか?

入社後の現場で技術的な質問に答えられないとき、スキルチェックが入ったとき、以前の現場の関係者と転職先で再会したとき、などが多い。時間が経てば経つほど、バレた際のダメージが大きくなる傾向がある。

Q. 過去に盛った経歴を、今から修正できますか?

転職活動の際に、実態に合わせた経歴書を作り直すことはできる。ただし在職中の会社に対して「実は経歴を盛っていました」と告白することはリスクが高い。転職を機に、正直な経歴でリスタートする方が現実的だ。


まとめ:正直な経歴で実力を積み上げることが、唯一の正解

職務経歴書を盛ってSESに入社し、2〜3年目に限界を感じた。技術的な質問に答えられなくなったとき、「このまま続けることはできない」という確信が生まれた。

嘘をつき続けることのコストは、想像以上に大きかった。精神的な消耗、成長の妨げ、信頼のリスク。それらを天秤にかけたとき、正直であることの方が長期的には自分を守ってくれると気づいた。

経歴詐称は短期的な解決策に見えて、長期的な問題を生む。正直な状態で実力を積み上げていくことが、遠回りに見えて一番の近道だと今でも思っている。


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