初めてチームリーダーを任されてうまく立ち回れず戸惑った話|試行錯誤で見えたリーダーの本質

3〜5年目の伸び悩み

エンジニア4〜5年目のとき、初めてチームリーダーを任された。

メンバーは2〜3人。小さなチームだ。「それくらいなら大丈夫だろう」と思っていた。でも実際にやってみると、まったく勝手が違った。

技術的な仕事はなんとかなる。でもリーダーとしての仕事が、何をすればいいのかわからない。そんな状態で、しばらくの間もがき続けた。


初めてリーダーになって最初に感じた違和感:「自分の仕事」がわからなくなった

リーダーを任されるまで、自分の仕事は明確だった。担当タスクをこなして、わからないことを調べて、コードを書く。それだけだった。

でもリーダーになった途端に「自分の仕事」の定義が曖昧になった。

メンバーに何をどう頼めばいいかわからない。タスクの粒度がどのくらいが適切かわからない。進捗をどう確認すればいいかわからない。技術的な判断を求められても、自分の技術力に自信がないから答えに詰まる。

一番困ったのは「指示を出す」という行為そのものに慣れていなかったことだ。自分でやった方が早い。でもそれではリーダーの意味がない。かといって、どう振り分ければメンバーが動きやすいかもわからない。

最初の数週間は、リーダーなのか一プレイヤーなのか、自分でもよくわからない状態だった。

初めてリーダーになったとき、こういう戸惑いを感じるのは珍しくない。技術力があってもリーダーとしての動き方は別のスキルだから、最初からうまくできなくて当然だ。


試行錯誤した日々:うまくいかなかったことと、変えたこと

正直、うまくできた記憶があまりない。

最初の失敗:自分でやりすぎた

最初はとにかく自分でやりすぎた。メンバーに振るより自分でやった方が確実だという感覚があって、気づけば自分だけが忙しい状態になっていた。メンバーが暇で、リーダーが一人でパンクしかけている。それはリーダーの仕事ではないと、後から気づいた。

変えたこと①:タスクを細かく分解して渡す

「これをやっておいて」という曖昧な指示ではなく「この画面のこの部分を、この仕様に合わせて修正してほしい。完了したら確認するのでPRを出してほしい」というレベルまで落とし込む。最初は時間がかかったが、メンバーが動きやすくなった。わからなくて手が止まるケースが減った。

変えたこと②:毎朝短い進捗確認を作った

長い会議ではなく、毎朝10〜15分で「今日何をやるか」「詰まっていることはないか」を確認するだけの場を作った。それだけで、問題の把握が早くなった。メンバーが一人で抱え込む前に気づけるようになった。

変えたこと③:答えを教えるより考え方を教えるようにした

技術的な質問に「答え」だけを教えていたが、「こういうときはこういう観点で考えると整理できる」という形で伝えるようにした。時間はかかるが、メンバーが自分で問題を解決できるようになる速度が上がった。


リーダーと業務の両立:最も消耗した部分

リーダーになって一番きつかったのは、自分の業務とリーダーとしての仕事の両立だった。

メンバーから質問が来る。手を止めて答える。また自分の作業に戻る。しばらくするとまた質問が来る。この繰り返しで、自分の集中力がどんどん削られた。

自分が難しい実装に集中しているときに限って質問が来る。「今は少し待ってほしい」と言うことへの罪悪感があった。でもすべての質問にすぐ対応していると、自分のタスクが全然進まない。

この問題は「質問タイムを決める」ことで改善した。「午前と午後に各30分、自由に質問できる時間を作る。それ以外の緊急でない質問はメモしておいてほしい」というルールを作った。最初は申し訳ない気持ちがあったが、実際にやってみると後輩も「まず自分で調べる」習慣がついた。質問の質も上がった。


今振り返って思う、リーダーの本質

あの頃の自分に伝えるとしたら、「リーダーは全部できなくていい」ということだ。

技術力で引っ張れなくてもいい。完璧な指示が出せなくてもいい。大切なのは、チームが動きやすい状態を作ることだ。メンバーが詰まっていたら早めに気づいてあげる。タスクの優先順位を整理する。誰が何をやっているかを把握しておく。それだけで、チームは動く。

リーダーになりたての頃「自分は技術力がないからリーダーに向いていない」という気持ちが強かった。でも実際に経験してみると、リーダーに必要なのは技術力より「チームの状況を把握して、メンバーが動きやすい状態を作る力」だとわかった。

これは技術力とは別のスキルで、意識すれば誰でも身につけられる部分が大きい。最初からうまくできなくて当たり前だ。試行錯誤しながら自分なりのやり方を見つけることが、リーダーとしての成長だと今は思っている。


初めてリーダーになった人がまずやるべき4つのこと

同じように初めてリーダーになって戸惑っている人に向けて、実体験から「まずやるべきこと」を整理する。

①タスクを細かく分解して渡す

「これをやっておいて」という曖昧な指示は、メンバーを迷わせる。「何を、どこまで、いつまでに」を明確にする。最初は手間がかかるが、メンバーが動きやすくなり、結果的にリーダーの負担も減る。

②短い進捗確認の場を作る

毎朝5〜15分でいいので「今日やること」「詰まっていること」を確認する場を作る。長い会議は不要だ。短くても定期的に話すことで、問題を早期に発見できる。

③自分で抱え込まない

「自分でやった方が早い」という気持ちは、リーダーになりたての頃に誰でも感じる。でもそれを続けると、リーダーがパンクする。多少時間がかかっても、メンバーに任せて経験を積んでもらうことが、チーム全体のためになる。

④質問のルールを最初に決める

「いつでも聞いていい」という状態は、お互いにとって効率が悪い。質問を受ける時間や方法を最初にすり合わせておくだけで、ストレスが大幅に減る。


よくある疑問への回答

Q. 技術力に自信がなくてもリーダーは務まりますか?

務まる。自分自身、技術力は平均的なままリーダーをやってきた。リーダーに必要なのは技術力より「チームが動きやすい状態を作る力」だ。メンバーへの気配り、タスクの整理、進捗の把握。これらは技術力とは別のスキルで、意識すれば誰でも身につけられる。

Q. メンバーへの指示の出し方がわかりません

まず「タスクを具体的に分解して渡す」ことを意識するといい。「何を、どこまで、いつまでに」を明確にする。慣れてきたら、メンバーの経験に応じて任せる範囲を広げていく。指示の出し方は経験を積むほど上達する。

Q. プレイヤーとリーダーの両立がきついです

リーダーになりたての頃は、自分の作業とリーダー業務の両立に悩む人が多い。「自分の作業を減らしてでも、チームを動かすことに時間を使う」という意識の切り替えが必要だ。それでも負荷が高い場合は、上司にタスク配分を相談することも大切だ。


まとめ:戸惑いながらでも、やってみるしかない

初めてのリーダー経験は、戸惑いの連続だった。メンバーへの指示の仕方も、進捗の確認の仕方も、最初は何もわからなかった。

それでも試行錯誤しながら続けたことで、少しずつ形になっていった。完璧じゃなくていい。動きながら覚えるしかない経験が、確実にある。

リーダーは全部できなくていい。技術力で引っ張れなくてもいい。チームが動きやすい状態を作ることに集中すれば、自分なりのリーダー像が見えてくる。

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