正直に書く。SESに入社した直後、経歴を少し盛った。
スキルや経験年数を、実際より少し大きく見せた。「これくらいなら大丈夫だろう」という判断だった。でも現場に出た途端、その判断の重さを思い知ることになった。
毎日どきどきしながら、裏では必死に勉強していた。あの頃の話を書く。
なぜ経歴を盛ったのか
SESに入社したとき、スキルシートを書く機会があった。
未経験から専門学校を経て入社したばかりだ。書ける実務経験はほとんどない。ただ、スキルシートに何も書けないと現場にアサインされない。アサインされなければ収入にならない。その焦りがあった。
学校で少し触れた程度の技術を「経験あり」と書いた。経験年数も実際より少し長めに記載した。「現場に入れば何とかなる」という根拠のない自信と、「バレなければいい」という後ろめたい気持ちが混ざっていた。
今振り返ると、やってはいけないことだったと思っている。ただ、当時の自分がなぜそうしたかは、正直に書いておきたい。
現場に出てからのどきどき
経歴を盛った状態で現場に入ると、毎日が綱渡りだった。
クライアントやチームメンバーが、自分のスキルシートを前提に仕事を振ってくる。「これくらいはできますよね」という前提で話が進む。でも実際にはできない。わからない。
その場でわからないと言えればよかった。でも「経歴を盛っている」という後ろめたさが、正直に言うことを邪魔した。「今さら言えない」という状況が続いた。
夜は現場で詰まった部分を自分で調べて、翌日に備えた。わからないことをその日のうちに解消しないと、次の日が乗り越えられない。プレッシャーが、学習を加速させた。
どきどきしながら現場をこなして、裏では必死に追いつこうとする。そういう日々が数ヶ月続いた。
必死に勉強した日々
経歴を盛った分、自分で埋めるしかなかった。
現場で出てきたわからない技術は、その日のうちに調べた。書籍を買って読んだ。関連する資格の勉強も始めた。「次に同じことを聞かれたときに答えられるようにする」という一点に集中した。
プレッシャーがあったからこそ、勉強のスピードが上がった。切羽詰まった状況が、学習を本気にさせた。のんびりしていられる状況ではなかった。
数ヶ月後、気づいたら「経歴に書いたスキル」が、実際に使えるレベルに近づいていた。盛った経歴に、現実が追いついてきた感覚があった。
経歴詐称について、今思うこと
経歴を盛ることは、やってはいけないことだと今は思っている。
クライアントや現場のメンバーへの不誠実さがある。バレたときのリスクが大きい。何より、毎日どきどきしながら働く精神的なコストが高い。あの頃の精神的な消耗は、相当なものだった。
ただ、あの経験から学んだこともある。
追い詰められた環境が、成長を加速させることがある。「できる」と宣言してしまったから、必死にできるようになろうとした。プレッシャーが学習の原動力になった。
もちろん、同じ方法を勧めるつもりはない。ただ、あの数ヶ月の必死さがなければ、今の自分はなかったとも思っている。
まとめ:正直に言えなかった分、必死になるしかなかった
経歴を少し盛って現場に入り、毎日どきどきしながら裏で必死に勉強した。
やってはいけないことだったと思う。でも、あの経験が今の自分を作った部分がある。正直に書けるのは、もう時効だからというのもあるが、同じように追い詰められながら頑張っている人に「そういう時期を乗り越えた人もいる」と伝えたいからだ。

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