エンジニアのキャリアは、案件ガチャで決まる部分が大きい。
20年近く働いてきて、そう実感している。同じ会社にいても、どの案件に入るかによって、身につくスキルがまったく違う。スキルアップに直結する案件に入れた人と、そうでない案件を続けた人では、数年後のキャリアに大きな差が生まれる。
努力だけではどうにもならない部分がある。でも、完全に運任せでもない。その話を書く。
案件ガチャとは何か
「案件ガチャ」という言葉は、エンジニアの間ではよく使われる。
どの案件にアサインされるかによって、経験できる技術、関われる業務の幅、身につくスキルが大きく変わる。良い案件に当たれば、短期間で大きく成長できる。外れ案件に入ると、消耗するだけで何も積み上がらない。そのランダム性を「ガチャ」と表現している。
SESで働いていた頃、この差を強く感じた。
同じ時期に入社した同僚が、上流工程に関われる案件に入った。自分は保守・運用中心の案件が続いた。数年後、転職活動でスキルシートを比べたとき、その差は歴然だった。同じ期間、同じくらい頑張っていたのに、市場価値に差がついていた。
スキルアップに直結する案件とそうでない案件の差
スキルアップに直結する案件には、共通した特徴がある。
新しい技術を使う機会がある。上流工程に関われる。裁量を持って動ける。失敗しても学べる環境がある。こういった案件に入れると、同じ時間でも得られるものが圧倒的に多い。
一方で、スキルアップにつながりにくい案件もある。同じ作業の繰り返しが中心。技術的な挑戦がない。言われたことをこなすだけ。こういった案件を続けると、年数は積み上がっても、スキルは横ばいになりやすい。
怖いのは、外れ案件にいる間も時間は過ぎていくことだ。気づいたら数年が経っていて、スキルシートに書けるものが増えていない。そういう状況に陥ったエンジニアを、周囲で何人か見てきた。
案件ガチャに対してやってきたこと
案件ガチャは完全に運任せではない、と思っている。
自分がやってきたのは、「欲しい案件に合わせてスキルを磨く」ことだった。
アサインされる案件を自分で選べない環境でも、「次にこういう案件に入りたい」という方向性を決めて、そこに向けてスキルを積み上げることはできる。関連する資格を取る。書籍で知識を補う。現場で似た技術に触れる機会があれば積極的に関わる。
スキルが上がれば、それを武器にして「こういう案件をやりたい」と主張できる。完全に思い通りにはいかないが、全くの運任せより、当たり案件に入れる確率が上がる。
また、転職という選択肢も有効だ。今の環境で欲しい案件に入れる見込みがないなら、環境ごと変えることで、案件の質を変えられる。SESからSIerへの転職も、外資コンサルへの転職も、案件の質を変えるための選択だった部分がある。
案件ガチャとうまく付き合うために
案件ガチャの理不尽さは、完全にはなくならない。
どれだけ準備しても、外れ案件に入ることはある。逆に、何もしていなくても当たり案件に入れることもある。その不確実性は、エンジニアとして働く限りついて回る。
ただ、完全に受け身でいるより、能動的に動いた方が結果は変わる。
欲しいスキルを明確にする。そのスキルに近い案件が来たとき、すぐに手を挙げられる準備をしておく。案件の当たり外れを環境のせいだけにせず、自分でできることを地道にやり続ける。それが、案件ガチャとうまく付き合う唯一の方法だと思っている。
キャリアは案件ガチャで決まる部分がある。でも、ガチャの引き方は自分で工夫できる。
まとめ:案件ガチャは運だけじゃない
エンジニアのキャリアにおいて、案件の当たり外れは確かに大きな影響を持つ。
ただ、完全に運任せで諦めるのも違う。欲しい案件に向けてスキルを磨く。必要なら環境ごと変える。能動的に動き続けることが、案件ガチャの結果を少しずつ自分に引き寄せる。


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