専門学校を卒業して、SES企業に入社した。
エンジニアとしてのスタートを切った瞬間だった。でも、現実はすぐに想像と違うことを教えてくれた。
研修はあった。現場にも出られた。ただ、誰も助けてくれない状況で一人もがく日々が、思っていたより早く始まった。これは、そのときの話だ。
入社直後の社内研修
入社してすぐ、プログラミングの基礎研修があった。
Javaの基本的な文法、簡単なアプリケーションの作り方、データベースの操作。専門学校でも触れたことのある内容が中心だった。研修期間中は同期と一緒に学ぶ時間があり、「エンジニアとして働き始めた」という実感が少しあった。
ただ、研修の内容は現場で使えるレベルには程遠かった。基礎の基礎を改めて確認する程度で、実務で即戦力になれるようなものではない。研修を終えて現場に出れば、また一から自分で学ぶことになる。それはすぐにわかった。
最初の現場で感じた孤独
最初にアサインされた現場のことは、以前の記事にも書いた。クライアント企業の社内サービスの改修案件に、一人でアサインされた。
研修中は同期がいた。困ったら隣に聞ける人がいた。でも現場に出た瞬間、それがなくなった。
SESという働き方の特性上、現場に同じ会社の先輩がいるとは限らない。自分の場合は一人だった。クライアント側の社員はいるが、手取り足取り教えてくれる立場ではない。わからないことがあっても、誰に聞けばいいかすらわからない状況だった。
「研修ではあんなに丁寧に教えてもらえたのに」という落差が、孤独感を大きくした。
調べても調べても、解決しないことがある。Googleで検索しても、自分の状況にぴったり合う答えが出てくるとは限らない。手が止まる。時間だけが過ぎる。「自分には無理なんじゃないか」という気持ちが、毎日のように頭をよぎった。
それでも乗り越えられた理由
誰かが助けてくれたわけじゃない。気づいたら乗り越えていた、という感覚に近い。
とにかく手を動かし続けた。わからなくても、まず動いてみる。エラーが出たら、エラーメッセージをそのまま検索する。それでも解決しなければ、別のアプローチを試す。不格好でも、動くものを作ることを優先した。
孤独な環境だったからこそ、「自分で考えて、自分で解決する」という癖がついた。誰かに頼れないから、自分でどうにかするしかない。その積み重ねが、少しずつ自信になっていった。
完璧にできるようになったわけではない。ただ、「なんとかなるかもしれない」という感覚が生まれてきた頃、最初の現場の仕事がひとまず形になった。それが、エンジニアとして続けていく最初の手応えだった。
SESスタートの現実を、今振り返って思うこと
SESでのスタートは、正直甘くなかった。
研修で基礎を学んでも、現場では通用しない。先輩がいなくて孤独。わからないことだらけで毎日残業。そういう状況が、最初から待っている。
ただ、それはSESに限った話ではないかもしれない。どんな環境でも、最初はゼロから始まる。誰でも最初は「できない」状態からスタートする。
SESで良かったのは、その「できない」状態に早い段階でさらされたことだ。逃げ場のない環境に放り込まれたことで、「自分でどうにかする力」が身についた。それが、その後20年近くやれている土台になっていると思っている。
未経験からSESに入ろうとしている人に伝えたいのは、最初はきつくて当たり前だということだ。孤独を感じるのも当たり前。それでも手を動かし続けることが、唯一の突破口になる。
まとめ
SES企業でのエンジニアスタートは、華やかなものではなかった。研修が終われば一人で現場に出て、孤独の中でもがく日々が始まる。
それでも、あの経験があったから今がある。きれいごと抜きで、そう思っている。


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